2021 年 48 巻 2 号 p. 55-58
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により,我々の日常生活は劇的に変化した.バイオフィードバックの実践においても,対面の場合はマスク着用や手指清潔を保つなど感染予防対策はこれまで以上に求められるようになった.そういった状況下で,人工知能(AI),情報通信技術(ICT),人工現実感バーチャルリアリティ(VR)などの最新テクノロジーを活用してのバイオフィードバックが注目されている.例えばではあるが,在宅ワークや巣ごもり傾向が高まる中,外出恐怖や登校・出勤困難などのメンタルヘルス問題を抱えている方に対して,在宅しながらVRによる社会訓練を実施し,医療機関とは遠隔診療で治療を進める方法などが可能性として考えられる.2021年6月20日に開催された第48回日本バイオフィードバック学会学術総会2日目では,企画広報委員会による「VRによるオンライン・バイオフィードバックの試み」と題した企画シンポジウムが開かれた.VRによるオンライン・バイオフィードバックの現状や将来ビジョンについて,企画広報委員会メンバーを中心にまとめた議論を本稿では紹介する.