バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
原著
心拍および呼吸同時計測を用いた心拍変動バイオフィードバックにおける個人に適した共鳴周波数の検索法とその効果
権 義哲
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2025 年 52 巻 2 号 p. 43-50

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抄録

 個人に適した心拍変動バイオフィードバックの共鳴周波数検索の効率化のために,呼吸波形と心拍波形の位相の一致に着目した.心拍センサと呼吸センサの同時計測で,連続する心拍変化のピークと呼吸波形のピークの時刻ずれを呼吸のペースで調整する自作アプリBREASSIST(ブレアシスト)®を用いて,男性32名の共鳴周波数を検索した.その結果,平均検索時間は3分20秒であり,最短で2分28秒,最長で5分40秒で検索できた.また,検索された各個人の共鳴周波数の平均は6.3回/分(0.105Hz)であり,最頻値および中央値は6.5回/分であった.共鳴周波数の範囲は5.0回/分~7.5回/分であり,4.5回/分~7.0回/分と知られている共鳴周波数の範囲よりはやや速い傾向であった.検索された共鳴周波数で行った心拍変動バイオフィードバックのトレーニングの解析結果(n=30),ペース呼吸中の副交感神経活動を表すRMSSDが安静時の呼吸中に対して有意に上昇し(p<0.001),副交感神経活動の亢進が確認され,共鳴周波数によるペース呼吸でメンタルストレスの軽減効果が示唆された.また,自律神経活動指標であるSDNNと平均心拍数は,心拍変動バイオフィードバックのトレーニングの後にもトレーニング前に比べてSDNNは有意に高く,平均心拍数は有意に減少した.以上の結果より,心拍センサと呼吸センサの同時計測で心拍変化のピークと呼吸波形のピークの時刻ずれを呼吸のペースで調整する方法で,効率的に共鳴周波数の検索ができ,従来の心拍変動バイオフィードバックの効果と同様の結果を得ることが分かった.

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© 2025 日本バイオフィードバック学会
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