行動医学研究
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原著
シニシズム尺度の作成と妥当性の検討
井澤 修平野村 忍
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2004 年 10 巻 2 号 p. 66-72

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抄録
多くの欧米の研究者は、冠動脈疾患のリスクを考慮するうえで、敵意性、とくにシニシズムの役割を強調している。本研究の目的は、シニシズム尺度 (CQ) の作成とその妥当性を検討することであった。718名の学生と102名の従業員を対象にBarefootら (1989) の分類に基づく13のシニシズムを表す項目を実施した。探索的・検証的因子分析を行った結果、6項目1因子が抽出された。これらの項目の信頼性係数は学生サンプルで.753、従業員サンプルで.758であった。CQは敵意尺度の間に中程度の関連が示された。また日常ストレッサー・気分との相関を求めたところ、シニシズムの高いものは高頻度の日常ストレッサーと怒り気分を示した。12週間の間隔をあけて行われた再テスト結果との相関係数は十分に高いものであった (r=.704)。これらの結果はCQの妥当性と信頼性を支持するものである。CQはパブリックヘルスの調査において標準化された有用な尺度であると考えられる。
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© 2004 日本行動医学会
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