抄録
自己教示方略を使用すると,誘惑抵抗がもたらされるという知識が,教授された自己教示方略を誘惑抵抗場面で使用し続けることに,重要な役割を果しているかどうかを検討することが本研究の目的であった。この目的を検討するために,まず実験者は,自己教示方略の有効性についての知識を持たず,しかも誘惑抵抗場面でその方略を使用しない幼児に,自己教示教示方略とその方略の有効性とを教授した。そして,その後,実験者は,方略の有効性についての知識を習得した幼児が教授された自己教示方略を使用し続けるかどうかについて検討した。主な結果は,次の通りであった。(1)知識を習得した幼児は,教授された自己教示方略を維持した。(2)知識を習得できない幼児は,教授された方略を維持することに失敗した。こうして,本研究から,自己教示方略の有効性についての知識が,教授された自己教示方略の維持に重要な役割を果していることが示唆された。