抄録
本研究は,中学生と高校生において,教科に対する内発的動機づけの6つの下位尺度の実態を分析・検討することを主な目的とした。内発的動機づけの調査票は,6つの下位尺度より構成された。すなわち,6つの下位尺度とは,(1)楽しさ,(2)認知された因果律の所在,(3)知的好奇心,(4)挑戦,(5)内生的一外生的帰属,(6)達成の6因子であった。400名の被験者に5教科(数学,国語,英語,社会,理科)に対する内発的動機づけの強さが5件法で求められた。分散分析の結果,各教科において内発的動機づけの6つの下位尺度間において,有意差が認められた。また,社会に対する内発的動機づけの評定においては,有意な発達的要因が認められ,国語や英語では性差の要因が有意であった。