行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
機能的アセスメントを用いた注意欠陥・多動性障害児童の授業準備行動への教室内介入 (原著,<特集>障害児の積極的行動支援)
野呂 文行藤村 愛
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2002 年 28 巻 2 号 p. 71-82

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抄録
注意欠陥・多動性障害児童の授業準備行動の改善に関して、機能的アセスメントとそれに基づく介入方法の効果を検討した。機能的アセスメントは、教師に対するインタビューと教室内での直接観察によって収集された情報に基づいて実施された。このアセスメントから作成された介入案は、教室内で適用する前に大学相談室にて機能的分析が試みられた。アセスメントに基づいて担任教師に対して提案された介入案は、1)授業準備に関する個別指示、2)授業準備の遂行に対するトークンの提示であった。トークン表は担任教師により1週間に1回の割合で大学相談室に送付され、その結果に基づいてバックアップ強化子が対象児童に対して提示された。これらの手続きが実行されることで、対象児童の授業準備行動において改善が示された。この結果から、注意欠陥・多動性障害児童が教室内での示す行動問題に対して、機能的アセスメントの利用が有効であることが示唆された。
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© 2002 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
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