行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
児童期不安症状の認知行動モデル構築の試み(原著,<特集>WCBCT 2004(Part2))
石川 信一坂野 雄二
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 31 巻 2 号 p. 159-176

詳細
抄録
本研究の目的は、児童期不安症状の認知行動モデルを構築することであった。研究1の対象者は小学生546名であった。偏相関分析の結果、ストレッサーを統制した場合、認知変数は不安症状と関連がみられたのに対して、認知変数を統制した場合、ストレッサーと不安症状には関連がみられなかった。研究IIでは小学生550名であった。共分散構造分析の結果、「友だちとの関係」「学業」→「認知の誤り」→「ネガティブ自己陳述」→「不安障害傾向」→「分離不安」「パニック傾向」「心配」「特定の恐怖」「強迫傾向」というモデルの妥当性が確認された。本研究の結果、認知変数が不安症状に影響を与えることが示唆された。本研究の結果から、児童の認知の誤りやネガティブ自己陳述に働きかけることが、不安症状の改善をもたらすことが示唆された。
著者関連情報
© 2005 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top