行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
引っ込み思案幼児への社会的スキル訓練 : 相互作用の促進と問題行動の改善(実践研究)
岡村 寿代杉山 雅彦
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2007 年 33 巻 1 号 p. 75-87

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抄録
本研究では、働きかけの促進と逸脱行動の低減を目的とした引っ込み思案幼児への社会的スキル訓練(social skills training;以下、 SST)を行った。ターゲットスキルは、対象児と仲間や保育士との相互作用を行動分析することによって選定し、ターゲットスキルが対象児の仲間への働きかけを促すかどうかを検討した。2つのターゲットスキル(話を聞くスキル、質問スキル)が選定され、7セッションからなる個別SSTが行われた。その結果、対象児はSST場面において質問スキルを増加させ、 SST期の自由遊び場面においても仲間への働きかけを増加させた。また、対象児は集団活動場面からの逸脱行動を減少させ、集団活動に参加する際は、仲間をモデルとして活動に参加するようになっていた。SSTによる効果は、教師評定によっても示され、SST後は、教師評定得点がポジティブに変化していた。
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© 2007 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
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