行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
小学校における集団社会的スキル訓練が対人的自己効力感と学校生活満足度に及ぼす影響(実践研究)
在原 理沙古澤 裕美堂谷 知香子田所 健児尾形 明子竹内 博行鈴木 伸一
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2009 年 35 巻 2 号 p. 177-188

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抄録

本研究の目的は、小学生児童を対象とした学級における集団社会的スキル訓練の効果を検討することであった。対象者は小学生児童42名(男子18名、女子24名:9〜10歳)であった。児童は先行群と待機群に分けられ、両群の児童は4週間、学級を対象とした集団社会的スキル訓練(以下集団SST)に参加した。訓練効果は、自己評価による社会的スキル得点、対人的自己効力感得点、学校生活満足度得点によって評定された。結果、集団SSTは、児童の社会的スキル、対人的自己効力感、および被侵害感を改善させることが示唆された。次に、訓練前の社会的スキルの自己評価得点の高さによって3群に分けられた(低群・中群・高群)。各得点において群の違いを分析した結果、集団SSTは、社会的スキルの自己評価が中程度の児童の社会的スキルの改善において、特に効果的であったことが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
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