2016 年 5 巻 p. 1-10
目的:高齢者の地域医療サービスの意識を明確化するため、家族構成(独居/非独居)、性別(男性/女性)、年齢(前期/後期)の各相違を検討した。方法:A市老人福祉センター利用者540人(回収522人、96.7%)へ自記式質問紙調査を行った。対象は65歳以上475人、データ解析はχ2検定、Mann-Whitney U検定(p<0.05)等を用いた。結果:独居79人(16.6%)と非独居396人(83.4%)では看取り経験、病気等で真っ先に起こす対処行動等の相違があった。男性219人(46.1%)と女性254人(53.5%)では、治療場所の意思決定や最期を迎えたい場所等に相違がみられた。前期高齢者276人(58.1%)と後期高齢者199人(41.9%)では病気等で真っ先に起こす対処行動や最期を迎えたい場所等の相違があった。考察:これらの知見を活用し、高齢者の対象特性および医療・介護ニーズに沿った啓発の機会を設けることで、高齢者の健康意識は高められヘルスリテラシー向上につながる可能性がある。同時に医療の専門職者の高齢者理解を深める一助になり得ると考える。