文化人類学
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特集 世界と共に感じる能力ーー情動、想像力、記憶の人類学
「気」はどのように感じられるのか
上海での気功実践を事例に
黄 信者
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キーワード: 気, 気感, 気功, 感覚, 情動
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2022 年 86 巻 4 号 p. 598-616

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抄録

本論は、上海気功研究所で行われる気功実践に注目し、情動、想像力などの身体経験が、「気」を感じることにどのような役割を果たしているのかを明らかする。気功における「気」に関する研究は、主に「気」の物質性についての自然科学的研究と、治療効果についての臨床的研究が挙げられる。一方、中国における気功ブーム期の気功は、時代性に富む社会・文化現象として、社会学・人類学者たちの関心の対象となったが、「気」が、どのように気功実践によって生成されたのかについての記述は十分ではない。そのために、本論はまず、気功実践における「気感」の位置づけについて検討する。それにより、「気」は曖昧な概念であるが、「気感」という共通の身体経験を通して気功実践が構築されていることがわかる。また、気功の教習過程に注目し、具体的にどのような方法で「気」を感じるようになるのかの過程、実践者の身体経験としての情動、そして想像力が「気」を感じるプロセスに果たす役割について検討する。その上で本論では、「気」と呼ばれる概念は、理論的教習だけでなく、実践者の情動によって生成されるものであり、実践者が情動や知識を通して想像する結果、単一の「気」や「気感」ではなく、複数の「気」や「気感」が生成されたことを明らかにする。

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2022 日本文化人類学会
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