日本循環器管理研究協議会雑誌
Print ISSN : 0914-7284
簡易運動量測定器による運動量測定の意義について
林 千治山上 里美子野上 春美田中 明美青海 明実政二 文明宮西 邦夫相崎 俊哉田辺 直仁船崎 俊一和泉 徹柴田 昭豊嶋 英明
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1993 年 28 巻 2 号 p. 118-124

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抄録
139例のトレッドミル運動負荷検査に万歩計と一次元加速度センサーを用いた消費カロリー測定器を用いて, 歩行数と消費運動量を測定した。運動負荷量をトレッドミル運動負荷の歩行速度と歩行面の傾斜角度から算出した。この値を基準として万歩計による歩行数と消費カロリー測定器によって測定した運動量 (以後, 実測運動量) を比較検討した。運動負荷のプロトコールはBruce法 (125例) とNaughton法 (14例) を用いた。
全例における運動負荷量との相関係数は歩行数が0.80, 実測運動量が0.87で, 後者で高い傾向 (p=0.052) にあった。プロトコル別の回帰直線の傾きは歩行数では2プロトコル間で異なったが, 実測運動量では差を認めなかった。
全例による負荷運動量 (y) と実測運動量 (x) の回帰式はy=1.73x+5.05であり, 実測運動量は負荷運動量の約60%であった。今回用いた簡易運動消費カロリー計が上下方向のみの加速度センサーを用いているためと考えられた。
しかし, この装置による運動量測定法は運動強度を考慮にいれた運動量測定が可能であり, 万歩計に比べ, 日常運動量を測定するのにより有用であると考えられた。
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© 社団法人 日本循環器管理研究協議会
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