比較経済研究
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東独脱出動機論争
独裁と経済難民・政治難民
青木 国彦
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2006 年 43 巻 2 号 p. 31-42,91

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抄録
本稿は最近の東独脱出動機論争と関連諸調査を検討した。中心論点は脱出者が主に経済難民であったかどうかであり,その背景には統一ドイツの憲法改正(難民受け入れ規制強化)があった。本論争は脱北者間題検討の参考にもなる。本稿は,東独脱出動機は多様性とともに複合性が特徴であり,全体主義独裁からの脱出故に経済的動機の場合も政治問題との分離は困難であり,論争はヘルシンキ宣言以後の態度変化を見ていない等と結論した。
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