比較経済研究

ロシアの石油・ガス輸出制度とWTO加盟問題

金野雄五

2006 年 43 巻 2 号 p. 1-13,91
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_1

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ロシアの石油・ガス輸出はこれまで,輸出数量制限や輸出関税によって管理・制限されてきた。近年のWTO加盟交渉ではこれらの輸出制限を一因とするエネルギーの内外価格差が主要な争点となったが,結局ロシアは輸出制度の大幅な変容を迫られずにWTO加盟を実現しつつある。このことは,ロシアの石油・ガス輸出制度自由化の一定の到達点を示す一方で,エネルギー内外価格差問題の複雑さとWTO協定の不完全性も示唆している。

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移行諸国への外国直接投資:ロシアを中心に

菅沼桂子

2006 年 43 巻 2 号 p. 15-30,91
発行日: 2006/08/01
公開日: 2010/02/05

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_15

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本稿の目的は,中東欧・旧ソ連諸国へのFDIの動向及び同地域における外資の立地選択を巡る先行研究の議論や実証面での事実発見を踏まえ,対露FDIの低調さを規定した諸要因の解明を試みることである。その結果ロシアに「固有」ないし「極めて顕著」な投資阻害要因の存在が確認された。前者は資源ナショナリズム及び中央・地方政府間関係の複雑さであり,後者は法律・税制上の制度的不確実性と汚職及び経済犯罪の蔓延である。

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東独脱出動機論争

独裁と経済難民・政治難民

青木国彦

2006 年 43 巻 2 号 p. 31-42,91
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_31

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本稿は最近の東独脱出動機論争と関連諸調査を検討した。中心論点は脱出者が主に経済難民であったかどうかであり,その背景には統一ドイツの憲法改正(難民受け入れ規制強化)があった。本論争は脱北者間題検討の参考にもなる。本稿は,東独脱出動機は多様性とともに複合性が特徴であり,全体主義独裁からの脱出故に経済的動機の場合も政治問題との分離は困難であり,論争はヘルシンキ宣言以後の態度変化を見ていない等と結論した。

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ポーランドにおける商業銀行の制度化と与信行動

秋葉まり子, Maria LISSOWSKA

2006 年 43 巻 2 号 p. 43-50,91
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_43

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海外からの資金と制度の導入に依存した移行を進めてきたポーランドにおける商業銀行の中小企業向け与信行動は,情報の非対称性の問題の克服が容易な大企業とは対照的である。依然制度化が不十分で,システム形成が不完備なために中小企業で発生する不正な情報提供やホールドアップ問題からリスク回避的となった銀行が信用供与を制約するため,投資需要は増大する反面銀行融資は縮小均衡している。

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ウクライナとロシア原油

供給源・ルート多元化をめぐる戦い

藤森信吉

2006 年 43 巻 2 号 p. 51-60,92
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_51

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ウクライナの「オデッサ・ブロディ」原油パイプラインは,原油供給源および輸入ルート面でのロシア依存解消を目的として建設された。しかし,供給源のロシア依存解消は主要な国内製油所がロシア資本傘下に入ることにより意味を失い,さらにロシア以外の原油供給源が確保できなかったため完工後も稼働に至らなかった。同パイプラインは,2004年,原油輸出の追加ルートを求めていたロシアが原油を供給することにより輸送を開始したが,結果的に当初の目的を果たしたとはいえず,ウクライナはロシア依存を一層深めることになった。

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市場経済移行期の中央銀行

中欧3カ国の中央銀行の独立性を巡って

松澤祐介

2006 年 43 巻 2 号 p. 61-78,92
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_61

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チェコ,ポーランド,ハンガリーでは,EU加盟交渉と,通貨統合への参加等を目的としたインフレ・ターゲティング採用を経て,先進国並みの高い中央銀行の独立性が実現した。しかし,インフレ・ターゲティングの枠組みや政治との距離を背景に,3カ国全てで独立性を減じる法改正が目論まれた。移行の「先進国」にも拘らず大きな摩擦を生み出したこれら事例は,移行国の中央銀行の独立性のあり方という問題を改めて突きつけた。

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上原一慶編著『躍動する中国と回復するロシア:体制転換の実像と理論を探る』

酒井正三郎

2006 年 43 巻 2 号 p. 79-82
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_79

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上垣彰著『経済グローバリゼーション下のロシア』

栖原学

2006 年 43 巻 2 号 p. 83-86
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_83

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塩原俊彦著『ロシア経済の真実』

岡田裕之

2006 年 43 巻 2 号 p. 87-90
発行日: 2006/08/01
公開日: 2009/07/31

DOIhttps://doi.org/10.5760/jjce.43.2_87

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