抄録
本研究の目的は,中学生の被サポート認知と将来志向性が生活満足度に及ぼす影響を検討することである。中学生のサポートとして,家族サポート,教師サポート,友人サポートを取り上げ,中学生が自分にとって適切なサポートを受けた時に得られる被サポート認知と将来志向性とが,生活満足度にどのように影響を与えるのかを検討した。その結果,男子は被家族サポート認知,被友人サポート認知と生活満足度との関連が示され,女子は被家族サポート認知,被友人サポート認知,被教師サポート認知の順に生活満足度との関連が示された。階層的重回帰分析の結果,男子は被教師サポート認知と良識・向上志向,被教師サポート認知と家庭志向,被友人サポート認知と良識・向上志向,女子は,被家族サポート認知と良識・向上志向,被教師サポート認知と良識・向上志向,被教師サポート認知と金持ち志向,被友人サポート認知と家庭志向に交互作用が見られ,男子は「被教師サポート認知が低くても良識・向上志向の調整効果によって生活満足度は高まること」,女子は「被家族サポート認知が低くても良識・向上志向の調整効果によって生活満足度は高まること」が示された。