抄録
本研究の目的は,保育者の自伝的記憶としての気付き体験を活かすよう働き掛け,保育実践への効力感を高める支援プログラムを開発し,その効果を検証することである。𠮷田・西山(2017)により,保育実践の中で自ら気付き,記憶された気付き体験を持つ保育者は,効力感が高いことが実証されている。そこで,支援プログラムにより,自らの保育エピソードを振り返り,新たな枠組みでそれを捉え直し,自伝的記憶として気付き体験を保持することが,保育者効力感を高めるか検討した。その結果,保育者効力感は,研修前と比較して,フォローアップ後及び追跡において有意に上昇した。また,フォローアップ後と1か月後の追跡との間に有意な差はなく,支援プログラムの持続効果が確認された。さらに,他の関連変数にも同様の効果が認められ,その有効性が裏付けられた。最後に,本研究の成果を踏まえ,保育者支援の観点から,若干の考察と今後の課題を述べた。