抄録
青年期の若者の将来のとらえ方と心理的適応との関連が指摘されている。本研究では,中学生の将来志向性のタイプの違いによって学校適応感,ストレス感がどのように異なるのかを明らかにした。中学生848人を対象に山上・相良(2019)の将来志向性尺度を用いて調査し,中学生の将来志向性には,「将来志向性高群」「家庭志向低群」「良識家庭志向群」「良識金持志向低群」「将来志向性低群」の5つのタイプがあることが見いだされた。5タイプと学校適応感,ストレス感との関連を検討したところ,将来志向性の高い「将来志向性高群」と「良識家庭志向群」は,学校適応感が高くストレス感が低かったが,将来志向性の低い「将来志向性低群」は,ストレス感が最も高く学校適応感も最も低かった。さらに,学校適応感がストレス感に及ぼす影響を検討したところ,すべてのタイプの中学生に学習的適応のストレス感に及ぼす影響が確認されたが,特に将来への意欲や関心の最も低い「将来志向性低群」には,学習的適応がストレス緩和に大きな影響を及ぼすことが示された。