在宅薬学
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症例報告
イミダゾール系抗真菌外用薬使用中にPT-INR延長を来したワルファリン服用患者において在宅管理上で投薬継続が可能となった一例
楢山 恭弘谷 秀彰三浦 裕幸針生 寛之唯野 貢司
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2023 年 10 巻 1 号 p. 55-60

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抄録

要旨:80歳代男性.医師よりPT-INR3.5に延長のため,直接経口抗凝固薬(Direct oral anticoagulant; DOAC)への変更を視野にワルファリン中止指示あり.14日前からラノコナゾールクリーム1%が処方となっていたことから同剤によるCYP2C9阻害によるワルファリンの作用増強を疑った.医師にワルファリンとイミダゾール系抗真菌外用薬の併用によるPT-INR延長の事例について情報提供を行ったところ,ラノコナゾールクリーム1%は使用中止となった.次回の医師の訪問診療日までワルファリン休薬後,PT-INRを確認の上でワルファリン再開予定と報告あり.後日,ワルファリンの適当な休薬期間について医師に情報提供を行ったところ,同日中にワルファリン再開指示あり.その後PT-INRは適正域を推移しており,延長は認められていないことを確認した.本症例では医師の指示の元で随時在宅訪問を行い,必要な情報提供を行うことで適切な薬物治療提供の一助となることができたと考えられる.

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© 2023 一般社団法人日本在宅薬学会

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