抄録
本研究では思春期・青年期の自閉スペクトラム症(ASD)児者および定型発達(TD)児者を対象に, ASD 児者の語用能力がTD 児者に追いつくのか,追いつくとすればそれはいつか,について検討することを目的とした。中学・高校生および高校卒業以上の12 歳から33 歳までのASD 児者62 名,TD 児者144 名それぞれについてことばのつかいかたテスト(TOPJC)正答数と年齢との相関を求め,両群の正答数を比較した。その結果,TOPJC が測定する語用能力においてTD 児者は年齢的な変動を示さないことが示された。ASD 児者は12 歳を過ぎてもまだ語用能力について習得の途中であり,19 歳以降にはTD 児者に語用能力が追いつくことが推測された。また中学・高校の時期のASD 児は皮肉の理解に関してまだ習得途中であることが示唆された。ASD の中高生においてもTOPJC を用いたアセスメントは有用であることが示された。