聴能言語学研究
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〈地域リハビリテーションにおける言語臨床家の役割〉失語症友の会
横張 琴子
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2001 年 18 巻 1 号 p. 37-42

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抄録

地域復帰後も多くの困難を抱え続ける失語症者のための地域リハビリテーションの一つに失語症友の会がある.友の会は他と比べ,地域,年齢,期間,資格などの制限がなく,自由に参加,活動できる利点をもつ.我が国の失語症友の会は,現在連合会加盟126団体,そのうち69%に指導という形での言語臨床家(ST)の関与が報告されている.千葉県東葛失語症友の会は,1980年,病院のグループ訓練を母体に発足した.現在の会員257名中,重度失語症者が最も多く,また例会出席率も重症者ほど高く(90%),重度失語症者の友の会に対する要望の高さがうかがわれる.友の会におけるSTの役割として,(1)重度失語症者の参加・交流の支援,(2)各種の目的をもつ分科会活動への協力,(3)軽症者,家族,ボランティアらの失語症理解についての助力やコーディネート等が挙げられる.また,友の会はSTやST志向学生自身の研修の場でもある.

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