抄録
失語症者への地域リハの重要性が言われているものの,未だ十分に整っておらず,地域格差も大きい.10年ほど前,埼玉県下では老人保健法の機能訓練事業はほぼ100%の市町村で実施されていたが,言語障害者を対象にした言語リハビリ教室はきわめて少なかった.そうした中,当時10ヵ所あった失語症友の会と言語リハビリ教室の会員・関係者から交流会をもとうと声が上がった.これを契機に,関係者へ「県内92市町村に『言語リハビリ教室』をつくろう」を啓発することを目的のひとつに,1992年「埼玉県失語症者のつどい」を開催することになった.つどいは親睦・交流に留まらず,6回の開催を通し地域リハ推進に寄与したと思われるので,その成果等を報告する.