抄録
地域言語リハビリの1形態として,デイサービスセンター事業所での家族介護者教室の一環として行われる言語障害者の会について報告をした.会はその対象者を言語障害者本人,家族,地域住民とし,スタッフ・ボランティアを多数そろえているところに特徴がある.会はそれぞれの対象者に大きな効果を与え,区内(東京都練馬区)で徐々に開催場所を増やしている.介護保険開始以後,老人保健法による機能訓練事業は縮小される方向にあり,言語リハビリもその影響を受けているが,今後は介護保険制度を中心として,保健・福祉などそれぞれの制度で言語障害者のための事業が適切に行われるよう,方略を考えなければならない.考察においてこの会が発展できた理由,地域全体の言語リハビリを活性化させるための方法の2点について検討を加えた.