聴能言語学研究
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〈地域リハビリテーションにおける言語臨床家の役割〉診療所での失語症者のデイケア
三好 幸子
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2001 年 18 巻 1 号 p. 65-69

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抄録
失語症者を中心としたデイケアの活動を紹介する.地域の診療所において1名の常勤STと3名の非常勤職員で運営されている.週4日開所し1日の定員は10名,現在30名が通所している.財源は,介護保険による通所リハビリテーションの給付(通所者は1割負担)である.主なプログラムは,健康チェック・言語グループワーク・昼食・遊びリテーションで,季節の行事や旅行なども随時行っている.地域のボランティアの参加も多く,彼らが「会話パートナー」として,通所者のよき理解者となることが期待されている.活動開始から1年経過後の主な成果としては,(1)他のデイサービス等になじめなかった失語症者が楽しみに通所している,(2)精神活動全般の活発化によるコミュニケーションの向上,(3)自立度や他人への思いやりの面での向上,などがあげられる.公的制度による新しい地域ケア活動の可能性につき考察を加える.
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