コミュニケーション障害学
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第31回 日本コミュニケーション障害学会学術講演会 特別講演4 高次脳機能障害とともに:6年間の認知リハビリ・生活支援・就労支援の経験から
山口 研一郎
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2005 年 22 巻 3 号 p. 199-203

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抄録
1999年7月以来2005年6月までの6年間に及ぶ高次脳機能障害者に対する認知リハビリ・生活支援・社会支援に関して報告する.高次脳機能障害はコミュニケーション障害ともいえるが,特に発語などの表出面よりも,他者との接し方が不適切といった内面的な要素が強い.こうした分野のリハビリはこれまで行われなかったのであり,私どもは認知リハビリ特にグループ療法として行っており,従来のリハビリとは趣きを異にする.同障害者に対しては,リハビリにとどまらず家庭や地域社会における支援も必要である.同障害者のゴールとは,家庭でのトラブルのない生活であり,職場や学校への復帰だからである.しかしながら,その壁は厚く簡単なことではない.家族に対して同障害への理解を促し,学校・職場や自治体・職業(リハビリ)センターに対しても,同障害の理解へ努めている.そうすることで,同障害者が地域へなじめるための素地を作っているのである.
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