コミュニケーション障害学
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第31回 日本コミュニケーション障害学会学術講演会 特別講演3 話しことばと書きことば
岡本 夏木
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2005 年 22 巻 3 号 p. 195-198

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抄録
「話しことば」と「書きことば」の関係を発達との関連において,以下の点から問題を提起する.(1)「スル」「知ル」「言ウ」「書ク」の相互変換システムの使い手としての行為主体が,これもまた同様のシステムの使い手としての他者とかかわり合う関係に注目する.(2)イメージ,音声言語,文字言語は,それぞれのレベルで記号システムを形成しながら,3つのレベルは,重層的に人間の認知,表現体制を構築してゆく.(3)音声にせよ,文字にせよ言語媒体はその発達とともに「透明化」しそれ自体としては意識されなくなるが,その初期,特に書きことばの習得では言語への意識化を強める.(4)文字習得自体にもさまざまな要因が働くが,年少児では,その図形認知にかかわる初期の特徴に配慮することが必要である.(5)書きことばによって,人は何を「なす」のか,また文化状況の影響等に言及する.
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© 日本コミュニケーション障害学会
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