コミュニケーション障害学
Online ISSN : 1884-7048
Print ISSN : 1347-8451
ISSN-L : 1347-8451
〈STとして何ができるか、何をすべきか〉運動障害性構音障害の臨床から
長谷川 和子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 24 巻 1 号 p. 41-44

詳細
抄録

ディサースリアについて,その動態・背景となる運動制御機構・介入の視点を概説した.発話明瞭度の改善のためには,明瞭度の低下をもたらしている発話の動態を解析し,その自動的な運動遂行過程へ介入する必要がある.その過程は知覚情報を能動的に識別するなかで遂行されるので,構音訓練のなかで適切な知覚情報をもたらし運動そのものに介入することが必要である.対象者のレベルによっては発話に必要な運動要素を実現するために対象活動の利用や徒手的な調整が行われる.医療におけるリハビリテーションの短縮化のなかで,医療と介護,他職種との連携の必要性とともに,STの専門性をさらに高め効果的で効率のよい治療を行うことが求められていると考える.

著者関連情報
© 日本コミュニケーション障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top