日本外科系連合学会誌
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症例
病期IB期肺癌の小腸転移切除の1例
村橋 邦康水山 陽子日月 亜紀子西野 光一青木 豊明曽和 融生
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キーワード: 肺癌, 小腸転移, 小腸切除
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2007 年 32 巻 1 号 p. 34-38

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抄録
症例は58歳の女性。2001年12月右肺癌 (大細胞癌, Stage IB) に対して右上葉切除を行い, その後補助化学療法を施行された。2003年1月下旬より下腹部痛, 黒色便, 便秘を認めるようになり受診。画像検査より, 小腸腫瘍による腸閉塞, 消化管出血と診断し, 2003年2月手術施行した。Treitz靱帯より約190cmの空腸に小児頭大の腫瘍が存在し, 腸間膜にはリンパ節の腫大を認め, 小腸部分切除術を行った。術後病理組織学的検査にて, 大細胞癌と診断され, 肺癌の小腸転移と考えられた。患者はその後一時退院するも術後8カ月に原病死した。肺癌の小腸転移に対する手術症例は少ない。また, 病期I期の症例で小腸転移が散見され, この病期でも消化管転移に留意する必要がある。われわれは, 病期I期肺癌の小腸転移の切除を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する。
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© 2007 日本外科系連合学会
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