抄録
慢性関節リウマチ (RA) は関節の炎症と痛みが次第に全身に広がり, 多彩な合併症を発症する。今回, われわれはRA治療中に発症した小腸穿孔を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する。症例は76歳, 女性。RAで治療中, 腹痛が発現し筋性防御を認めたため腹部CTを施行した。消化管穿孔と診断し手術を施行したところ, 小腸穿孔による腹膜炎で, 穿孔部を含めた小腸切除を行った。摘出標本にはアミロイドーシスや血管炎の所見はなく, NSAIDs服用者で穿孔部の特徴からNSAIDsによる小腸穿孔の可能性が高いと判断した。小腸穿孔による腹膜炎は理学的所見が乏しいことも多く, RA症例の腹痛は小腸穿孔を念頭に置いて早期診断のためのCT検査を考慮と考える。