抄録
症例は45歳, 男性。突然の腹痛とともに下血が出現し入院となった。入院後, 大量下血とともに出血性ショックになった。腹部超音波検査および腹部CT検査では出血源の同定はできなかった。血管造影検査にて遠位回腸枝から分岐する卵黄動脈が描出され, 造影剤の血管外漏出を認めた。出血性Meckel憩室の診断にて緊急手術を行った。回腸末端より約90cm口側の回腸腸間膜反対側に7cm長のMeckel憩室が存在し憩室を楔状に切除した。切除標本では憩室内粘膜に10mm大の潰瘍が存在し露出血管を認めた。病理組織診にて憩室内に異所性胃粘膜が存在し, 回腸粘膜との移行部に潰瘍を形成していた。成人に発症した突然の大量下血には本症も念頭におく必要があると考えられた。