抄録
症例1は71歳の男性で, 下血を主訴に当院を受診し, 精査の結果, 直腸癌と診断し, 術前の腹部CT検査で右腎腫瘍を認め, 一期的に低位前方切除術と右腎摘出術を行った。症例2は63歳の男性で, 心筋梗塞治療中に貧血と便潜血反応陽性を指摘され, 精査の結果, 直腸癌と診断し, 術前の腹部CT検査で左腎腫瘍を認め, 一期的に低位前方切除術と左腎部分切除術を行った。症例1は術後7年3カ月, 症例2は術後9カ月を経過したが直腸癌, 腎癌ともに再発徴候を認めず生存中である。直腸癌の術前画像検査において重複癌も見落とさぬよう注意すべきで, 根治が得られれば予後も期待できるため, 積極的な治療が必要と考えられた。