日本外科系連合学会誌
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症例
腹壁膿瘍を合併した盲腸癌の1例
鈴村 和大黒田 暢一藤元 治朗
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キーワード: 盲腸癌, 腹壁膿瘍
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2007 年 32 巻 4 号 p. 661-665

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抄録

症例は74歳, 男性。盲腸癌に対し手術目的にて前医入院。入院後, 右下腹部の発赤, 腫脹を認め, 盲腸癌の腹壁浸潤による膿瘍の形成と診断し膿瘍ドレナージ術, 回腸人工肛門造設術を行った後, 根治手術目的にて当院転院となった。CTでは回盲部に約9cm大の巨大な腫瘍を認め, 腹壁との境界が不明瞭で腹壁浸潤が疑われた。また皮膚の膿瘍ドレナージ創からの瘻孔造影では腫瘍を介して上行結腸が描出された。盲腸癌と広範囲の腹壁浸潤の診断にて, 右半結腸切除術および腹壁合併切除術を行った。腹壁欠損部は形成外科的に再建を行った。病理組織検査では粘液癌であった。結腸癌に合併した腹壁膿瘍は比較的稀である。今回われわれは, 腹壁膿瘍を合併した盲腸癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。

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© 2007 日本外科系連合学会
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