2007 年 32 巻 4 号 p. 681-685
症例は67歳男性。平成11年11月膵体部の膵管内乳頭粘液性腺癌 (Intraductal papillaly-mucinous carcinoma, 以下IPMC) に対し膵体尾部切除術を施行。術後病理組織学的検査にて混合型IPMC (微小浸潤癌) と診断された。以降, 外来経過観察されていたが, 平成15年6月糖尿病を発症し, また腫瘍マーカーの上昇も認めたため精査を行った。諸検査にて, 残膵に径30mm大の多房性嚢胞性病変を認め, 嚢胞内に充実性成分が認められた。その他, 主乳頭の開大と粘液の排出, 主膵管の著明な拡張を認め, 膵管鏡検査時に施行した生検結果よりIPMCと診断された。IPMC残膵異時性再発の診断のもと, 平成15年12月残膵全摘術を施行した。術後病理組織学的検査では混合型IPMC (微小浸潤癌) と診断された。現在まで再発なく外来経過観察中である。