日本外科系連合学会誌
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症例
乳頭部びらんを主訴とした乳頭部腺腫とPaget病の各1例
武本 昌子乾 浩己綿谷 正弘橋本 幸彦大和 宗久塩崎 均
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2007 年 32 巻 5 号 p. 744-748

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抄録
乳頭部びらんを呈するが, その病態が全く異なる乳頭部腺腫とPaget病の2例を経験した。症例1は53歳, 女性。左乳頭部難治性びらんに対する皮膚生検の結果, 乳癌を疑われ当院受診。生検標本の再検討より, 乳管上皮の著しい増生は認められたが核異型が少なく, 二相性は保たれていたため乳頭部腺腫と診断。乳頭部分切除を施行した。症例2は46歳, 女性。右乳頭部難治性びらんに対して, 乳頭部生検の結果Paget病と診断。さらに乳腺造影CTで同側乳頭乳輪部から3cm下外側に径9mmの濃染像を認めた。よって, 乳頭・乳輪およびこの濃染部分を含めた乳房部分切除術を施行。切除標本では乳頭乳輪部のPaget病と, CTの濃染部に一致して非浸潤癌が認められた。乳頭部腺腫とPaget病は乳頭部びらんを形成するが, 前者は限局性の良性疾患であり, 後者は悪性で, しばしば同側乳房内に乳癌を併発する。乳頭部びらんでは両者を鑑別し, 適切な範囲の外科的切除が求められる。
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© 2007 日本外科系連合学会
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