日本外科系連合学会誌
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臨床経験
急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術と開腹手術の比較検討
田中 公貴田本 英司中久保 善敬奥芝 知郎川村 健
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2007 年 32 巻 6 号 p. 839-841

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抄録

腹腔鏡下虫垂切除術は術後疼痛軽減, 入院期間短縮, 創感染低下などで利点を持つ術式として報告されており, 当院で同術式を導入したので, 開腹虫垂切除と比較検討した。方法 : 2006年1月までの3年間に虫垂炎の診断で手術した開腹切除36例, 腹腔鏡下切除29例を手術時間, ドレーン抜去時期, 創感染, 鎮痛剤使用数, 術後在院日数について比較検討した。統計学的解析にはt検定とχ2検定を用い, p<0.05を有意差ありとした。結果 : 創感染で有意差を認め, ドレーン抜去時期で有意な傾向を認めた。共に腹腔鏡下手術が有用な結果となった。考察 : 腹腔鏡下手術は開腹手術に比べ, 腹腔内の十分な洗浄と, 創部への膿汁付着を予防できる点から創感染の減少とドレーンの早期抜去につながった可能性が考えられる。結語 : 腹腔鏡下虫垂切除術は開腹手術に比べ有用な術式であるといえた。

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© 2007 日本外科系連合学会
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