日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例
十二指腸原発gastrointestinal stromal tumorの2例
西科 琢雄上西 宏若原 正幸佐藤 元一棚橋 利行
著者情報
キーワード: GIST, 十二指腸GIST
ジャーナル フリー

2007 年 32 巻 6 号 p. 857-861

詳細
抄録

比較的稀な十二指腸原発GISTの2例を経験したので報告する。症例1 : 77歳, 男性。黒色便を主訴に入院。上部内視鏡検査にて十二指腸上行部に4cm大の腫瘍を認めた。腹部CT, MRI, 血管造影検査所見よりGISTの術前診断にて十二指腸空腸部分切除術を施行した。術中所見では腹膜播種や肝転移を認めなかった。病理組織学的にはc-kit, CD34ともに陽性でki-67Labeling index : 20%, MI : 40/50HPF, 最大腫瘍径 : 55mmで高リスクの十二指腸原発GISTと診断された。症例2 : 37歳, 女性。吐血を主訴に入院。緊急上部内視鏡検査にて十二指腸球部に潰瘍と露出血管を伴う2cm大の腫瘍を認めた。GISTの術前診断にて幽門側胃切除術を施行した。病理組織学的にはc-kit, CD34ともに陽性でki-67LIは5%未満, 最大径35mmで低リスクの十二指腸原発GISTと診断された。

著者関連情報
© 2007 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top