2008 年 33 巻 4 号 p. 566-569
目的:小児の腸重積症は比較的多いが,成人では稀である。そこで,成人腸重積症の特徴と治療法について検討した。対象と方法:1994年1月から2007年6月までに岩国医療センターで手術を施行した成人腸重積症例を対象とした。12症例の診療録から,臨床病理学的特徴について検討した。結果:平均年齢69.6歳で,男女比は5:7であった。小腸小腸型1例,小腸大腸型4例,大腸大腸型7例であった。全例とも,先進部病変を有しており,10例(83%)が悪性疾患であった。全例とも,開腹にて腸切除手術を施行された。結語:成人腸重積症は悪性疾患に起因するリスクが高いことを考慮した治療が必要と考えられた。