日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
S状結腸憩室炎による結腸膀胱瘻の1例
若林 俊樹加藤 健粕谷 孝光吉岡 浩丹羽 誠
著者情報
キーワード: 憩室炎, 結腸膀胱瘻
ジャーナル フリー

2010 年 35 巻 2 号 p. 189-192

詳細
抄録
 症例は46歳,男性.排尿痛,気尿を自覚.膀胱鏡で膀胱後壁左側に潰瘍を伴う粘膜浮腫像を認めた.腹部CTで多数のS状結腸憩室と結腸周囲の炎症像を認めた.膀胱壁との境界には憩室様のair densityを認め,周囲の膀胱壁が炎症性に肥厚していた.S状結腸憩室炎による結腸膀胱瘻の診断で加療開始した.保存的治療にて症状軽快し,経過をみていたが4カ月後症状再燃し,さらに糞尿を認めたため手術を施行した.S状結腸と膀胱の間の瘻孔は容易に確認でき瘻孔切除を施行した.術後の経過は良好で合併症は認めず,現在まで再発は認めていない.治療方法に関しては,瘻孔を含むS状結腸切除,膀胱部分切除等が報告されているが,本症例では,下行結腸まで憩室を多数認めており,憩室を含む結腸切除は手術侵襲が大きくなること,また術前から前立腺炎,頻尿を認めており膀胱切除は膀胱容量の低下をきたし症状増悪の可能性が考えられたため,瘻孔切除を施行した.
著者関連情報
© 2010 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top