抄録
目的:術前化学療法(NAC)の視点から,胃癌における術前の臨床病理学的予後因子を評価した.
方法:胃癌curative intent症例について,年齢,性別,cN(CT上のリンパ節転移個数),cT(術前の深達度),組織型,腫瘍径,肉眼型,血清CEA,血清CA19-9の9個の術前予後因子を選択し,単変量・多変量解析にて生存転帰への重みを評価した.
結果:単変量解析では性別を除く8個の因子が有意な予後因子となった(p<0.001).Cox回帰分析にて全症例では腫瘍径,肉眼型,cN(各p<0.001),cT(p=0.002)が独立因子として選択されたが,R0達成症例では腫瘍径,肉眼型(各p<0.001)のみ独立因子として選択され,cN(p=0.094),cT(p=0.062)は選択されなかった.
結語: NAC適応の指標には,T,N以外に腫瘍径,肉眼型も考慮されるべきである.