抄録
腹腔鏡下胆囊摘出術を行った際の術中落下結石による腹腔内膿瘍に対して手術を施行したので報告する.症例は67歳の女性で,急性胆囊炎に対して経皮経肝胆囊ドレナージ後に腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.軽快退院したが,1カ月後,右側腹部の違和感が出現したため来院し,精査にてモリソン窩および右横隔膜下に膿瘍貯留とその内部に結石様陰影を認めた.モリソン窩膿瘍に対しては小切開下に,横隔膜下膿瘍に対しては腹腔鏡下にそれぞれ手術を施行した.共に膿瘍腔内に落下結石と思われる黒色結石を認めた.術中落下結石による腹腔内多発膿瘍は比較的稀であり,侵襲の少ない手術で治療しえた.