日本外科系連合学会誌
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原著
胃全摘術後の低体重(BMI<18.5kg/m2)と関連する因子の検討
山岡 雄祐藤谷 和正平尾 素宏山本 和義浅岡 忠史宮本 敦史池永 雅一池田 正孝中森 正二関本 貢嗣
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2013 年 38 巻 4 号 p. 726-731

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抄録

【目的】Body mass index(BMI)が18.5kg/m2未満である低体重を示す症例は死亡率リスクが高く予後不良である.胃全摘術後の低体重を予防するために積極的な栄養介入を必要とする症例を特定することを目的とした.【対象と方法】初発胃癌に対して根治的な胃全摘術を施行し術後1年間再発を認めなかった110例を対象とし,術後1年目に低体重をきたすことと臨床病理学的因子との関連について検討した.【結果】110例中39例が術後1年目に低体重となった.単変量解析では,術前BMIが22kg/m2未満であること,女性,StageⅡB以上であること,術後補助化学療法を施行することが術後低体重と有意な相関を示した.多変量解析では術前BMIが22kg/m2未満であること,女性,術後補助化学療法を施行することが術後低体重と有意な相関を示した.【結語】術前BMIが22kg/m2未満の症例,女性,術後補助化学療法を施行する症例には術後早期から積極的な栄養介入が必要と思われた.

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© 2013 日本外科系連合学会
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