日本外科系連合学会誌
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症例報告
術中内視鏡が出血点同定に有用であったNSAIDs起因性出血性小腸潰瘍の1例
石川 英樹河本 和幸岡部 道雄朴 泰範伊藤 雅
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2014 年 39 巻 1 号 p. 64-69

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抄録
症例は79歳女性.腰痛症に対して1年前よりNSAIDsを内服していた.2010年11月,腹痛・下血を主訴に近医を受診した.貧血および血圧低下を認めたため当院緊急搬送となった.上部および下部消化管内視鏡検査では出血源は確認できなかったが,下部小腸から新鮮血を認めることから,その口側に出血源があると予想された.腹部血管造影でも出血源の同定はできなかった.輸血により全身状態は安定していたが,第4病日に多量の下血がありHb3.6g/dlと著明に貧血進行した.出血コントロール目的で緊急開腹術を施行した.回盲部より約110cmの回腸に輪状の進展不良部を認めた.術中内視鏡検査で同部位からの出血であることを確認し,小腸部分切除術を行った.病理組織的には肉芽腫や血管炎,腫瘍性病変など特異的病変は認められず,NSAIDsによる出血性小腸潰瘍と診断した.術後経過良好で,術後8日目に退院した.
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© 2014 日本外科系連合学会
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