抄録
症例は45歳,男性.2008年7月,急性腹症のため当院外科にて緊急手術を施行した.回盲部膿瘍を認めたが摘出不可と判断されたためドレナージ術のみ施行した.術後の大腸内視鏡検査では,上行結腸~盲腸に多数の憩室を認めるのみで腫瘍は認めなかった.退院後,2回,回盲部の炎症を認めたが,抗生剤点滴にて改善した.2011年3月,右下腹部痛のため当院外科を紹介受診.腹部CTにて回盲部の炎症と腹壁膿瘍を認めたため,同日,当院外科へ緊急入院し経皮的ドレナージ術を施行したところ,腸液の流出を認め,回盲部穿孔と診断されたため手術を施行した.回腸末端部に穿孔,狭窄を認め,腹壁に穿通していたため,結腸右半切除術を施行した.術後経過は良好で術後14日目に退院となった.病理結果では,穿孔部位に隣接して虫垂を認め,その周囲には好中球浸潤が認められたため,虫垂炎が以前に存在して回腸末端に癒着し,更に繰り返されたことによりその影響で穿孔が形成されたと考えられた.