抄録
【目的】腹腔鏡補助下大腸切除術時の創感染予防を目的に真皮縫合+ダーマボンド塗布による創閉鎖を施行しているのでその創感染の発生状況につき報告する.
【対象・方法】2013年4月までに上記閉創法で閉創した腹腔鏡補助下大腸切除術63例を対象とした.予防策として1)小開腹創はwound retractorにて創縁保護2)腸管開放時の小孔を開けたドレープによる皮膚汚染予防3)小開腹創は二層に吸収糸で結節縫合(正中創は一括縫合)4)注射気圧による創洗浄5)吸収糸による真皮縫合6)表皮はダーマボンド塗布を施行した.
【結果】対象症例の年齢中央値は69(17~88)歳,男性37例,女性26例.病変部位は盲腸から下行結腸:28,S状結腸・直腸S状部:27,直腸:8例.リスクインデックスは-1:42,0:19,1:2例であった.創感染は1例1.6%に認めた.
【結語】現在の閉創法は創感染の発生状況から有用と考えられた.