日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に切除した腸回転異常症を伴うS状結腸・小腸重複癌の1例
谷田部 沙織坪井 一人小林 康伸市原 恒平梶本 徹也柏木 秀幸
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2018 年 79 巻 2 号 p. 371-376

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抄録
症例は64歳の男性で,腹部膨満および食思不振を主訴に当科を受診した.精査により腸管の解剖学的異常を伴う大腸閉塞の診断に至り,内視鏡下に大腸ステントを留置した.S状結腸に全周性腫瘍を認め,組織検査にて高分化型腺癌の診断に至った.CT angiographyを施行したところ,下腸間膜動脈(inferior mesenteric artery ; 以下,IMA)が腹部大動脈の正中より分岐し通常とは左右対称性に走行していることが確認された.待機的に腹腔鏡下切除術を施行した.術中,回腸末端部にも腫瘍を認めたため,回盲部切除術も追加したところ,原発性小腸癌の病理診断であった.腸回転異常症に消化器癌が合併する報告は散見されるが,自験例はIMAが左右対称性の走行を呈し,下行結腸からS状結腸が右側腹腔に位置する解剖学的特徴を有するのみならず,同時性重複癌の症例であり,極めて稀なため報告した.
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© 2018 日本臨床外科学会
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