抄録
症例は42歳男性,手術歴なし.腹痛を主訴に他院受診し,イレウスの診断にて当院紹介となった.注腸後にイレウス管造影を行い,S状結腸近傍に小腸の狭窄像を認めた.このため,S状結腸間膜内ヘルニアを最も疑い,手術を施行した.腹腔鏡下で手術開始し,S状結腸間膜内に嵌入した小腸を認めたが,腹腔鏡下での整復が困難であったため,小開腹にてヘルニアを整復した.腸管血流は良好であり,ヘルニア門を縫合閉鎖し,手術を終了した.術後経過は良好で術後第9病日に軽快退院した.S状結腸間膜内ヘルニアは稀な疾患であり,今回,イレウス管造影,注腸造影が術前診断に有用であったS状結腸間膜内ヘルニアの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.