日本外科系連合学会誌
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症例報告
手術が発症原因として考えられた好酸球性胃腸炎の1例
紙谷 直毅頼木 領大住 周司吉村 淳島田 啓司
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キーワード: 好酸球性胃腸炎, 手術, 腹水
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2014 年 39 巻 6 号 p. 1100-1104

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抄録
症例は62歳,男性.S状結腸癌の肝転移巣に対し肝後区域切除術,S3,S4部分切除術を施行,術後15日目に退院となった.しかし術後20日目に高度の発熱と下痢が出現し,また末梢血好酸球数の著明な増多と胸腹水貯留を認めたため再入院となった.胸水,腹水穿刺を施行したところ穿刺液中にも好酸球の増多を認めたため,好酸球性胃腸炎と診断しprednisoloneの静脈投与を開始した.症状は劇的に改善し再入院後17日目に退院となった.術後に末梢血液中や腹水に好酸球分画の増多を認め何らかの消化器症状を呈する症例では,本疾患を念頭に置き遅滞なく薬物治療を開始する必要があると考えられる.
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© 2014 日本外科系連合学会
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