抄録
胃軸捻転症は胃が生理的範囲を越えて捻転する比較的稀な疾患であり,症例によっては手術が必要となる.胃軸捻転症に対し,腹腔鏡下胃固定術を行い良好な経過を認めた症例を経験したため報告する.
症例は75歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に当院受診.腹部CT検査,上部消化管造影検査で胃軸捻転症と診断.内視鏡的捻転解除が施行されたが胃軸捻転の再発を認め,腹腔鏡下胃固定術を施行した.術後良好に経過.翌日より食事開始,術後4日目には退院となった.胃軸捻転症に対する腹腔鏡下胃固定術は低侵襲で有効な治療法と考えられた.