日本外科系連合学会誌
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症例報告
術中診断より過侵襲手術を回避しえたFDG-PET陽性黄色肉芽腫性胆囊炎の1切除例
村上 剛平森本 芳和弓場 健義藤井 眞赤丸 祐介山崎 芳郎
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2014 年 39 巻 6 号 p. 1175-1180

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抄録
症例は57歳,女性.発熱を主訴に受診され胆囊腫瘍の診断で当科紹介となった.腹部CTにて胆囊壁肥厚と肝および大腸への浸潤像を,FDG-PETにて胆囊を中心にFDGの異常集積を認めた.進行胆囊癌の術前診断のもと開腹手術を施行した.術中所見からは術前診断とは異なり,進行胆囊癌を疑う所見に乏しく,肝床部切除術,結腸部分切除術により腫瘍を一塊にして摘出した後に,術中迅速病理診断を行う方針とした.迅速診断では悪性所見を認めず,肝外胆管切除やリンパ節郭清は不要と判断した.術後病理組織学的検査は黄色肉芽腫性胆囊炎(Xantogranulomatous cholecystitis,以下XGC)であった.XGCは亜急性の胆囊炎の1型であり,炎症が高度な場合は,FDG-PETでFDG集積を認め,胆囊癌との鑑別に苦慮する.そのため良性疾患にもかかわらず,過侵襲な術式が選択されることがある.胆囊癌と診断した症例でも,XGCを念頭に置き,迅速病理診断も含めた術中診断に努めることが過侵襲手術を回避する一助になると考えられた.
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© 2014 日本外科系連合学会
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