日本外科系連合学会誌
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症例報告
保存的治療後に手術を施行した特発性大網捻転症の1例
秋元 俊亮矢野 文章志田 敦男小村 伸朗矢永 勝彦
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キーワード: 特発性大網捻転症
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2015 年 40 巻 1 号 p. 148-153

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抄録

患者は20歳代,男性.右下腹部痛で近医受診後,症状の改善がなく当院消化器内科を受診した.右 下腹部圧痛と血液検査上炎症反応上昇を認め,さらに腹部単純CT検査で右側腹部脂肪織混濁を認め たことから,急性腹膜炎の診断で入院となった.絶食にて補液と抗生物質の点滴治療を行った.入院 後第3病日より右側腹部痛が増悪し,筋性防御と反跳痛が出現した.炎症所見は上昇し,腹部造影CT 検査で大網捻転と大網梗塞を疑い手術を施行した.大網の一部が腹壁に癒着して結節状腫瘤を形成し ており,大網捻転の確診に至った.手術は結節状となった腫瘤を含めた大網部分切除を施行した.手 術時間は97分で出血量は少量であった.術後第3病日に食事再開し,第7病日に軽快退院となった.

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© 2015 日本外科系連合学会
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