日本外科系連合学会誌
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外科医を目指し,継続するためには何が必要か─長崎大学病院における女性医師のアンケート調査結果をもとに─
崎村 千香黒木 保江口 晋南 貴子伊東 昌子
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2015 年 40 巻 2 号 p. 174-179

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抄録
妊娠・出産は女性特有のライフイベントであり,その後の育児の主軸は女性である現状から,キャリア継続の障害となりえる.われわれは,女性医師のキャリア形成には何が必要かを明らかにすることを目的とし,アンケート調査を行った.対象は長崎大学病院に勤務する女性医師で,2013年10月に紙面によるアンケートを施行した.結果は160人中106人(66%)より回答を得た.外科系医師(消化器外科,乳腺・内分泌外科,整形外科,産婦人科,形成外科,眼科,耳鼻咽喉科,泌尿器科,皮膚科)の回答率は88%(50人中44人)であった.年齢は30代が最多であった.外科系女性医師は,専門選択時に出産・育児を考慮しない傾向にあり,緊急手術や日当直の免除より,育児サポートなどを望む傾向があった.また,内科系医師と比較し,外科系医師は仕事の免除より,勤務可能となるサポートを希望する傾向があり,育児サポートシステムの強化を考慮すべきであると思われた.
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© 2015 日本外科系連合学会
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